緑色果肉のキウイフルーツには、クロロフィル類やカロテノイド(カロチノイド)類が含まれている.


 左の図は、ヘイワード果肉から抽出した色素を、薄層クロマトグラフィー(TLC)によって分離した結果である。 ほうれんそうやパセリなどと同様、クロロフィルaクロロフィルbが含まれていることがわかる。 また、カロテンカロチン)やルテインなどの黄色色素も含まれている。 そのため、果肉は黄緑色を呈する。

 レーン1は、細心の注意をはらって色素を抽出したもの。 一方レーン2は、一般的な方法で色素を抽出したもの。 キウイフルーツの果肉は、pH 3.2〜3.5程度と強い酸性を示すため、普通に破砕すると、ほんの数分でクロロフィルaの分解が自然に起こり、くすんだオリーブ色のフェオフィチンaに変化する。 この変化は、加熱するとさらに速やかに起こる。 緑色のキウイを使ってキウイフルーツジャムやキウイソースを作っても、これらが黄色くなってしまうのは、加熱によるクロロフィルの化学変化のためである。